普段大体一週間に1冊くらいのペースで本を読んでいる僕だが、久々に自分にとって非常に有益な本に出会ったので紹介したい。
200年以上前にアメリカ政府の大臣であったジョン・トッド氏によって書かれた「自分を鍛える!―――「知的トレーニング」生活の方法」という本だ。
自己啓発書をたくさん読んできた僕は、自己啓発書でたくさんの精神論を学んできた。
しかしこの本は、非常に実践的で具体的な、人生をよりよくするためのアドバイスに満ちていた。
しかもそのアドバイスが、ともすると忘れがちなことばかりで、今の自分が実践できていないことが多かった。
この本の出版社から広告費を1円ももらっていないが、この本を読んだ直後から生活スタイルが大幅に変わって、非常に充実した毎日を送れるようになったので、この本の内容をみなさまに紹介したい。
この本全体を通して非常に学ぶ点が多かったが、この記事では本の要約をするつもりはなく、あくまでもこの本の中で「僕に刺さった箇所」を中心に紹介したいと思う。
僕はそこまで奇人でも常識はずれでもないはず、と自負しているので、おそらく大抵の人にも同じように刺さる内容だろう。
興味を持ったら、ぜひAmazonでポチってみて欲しい。あまりにも費用対効果の高い買い物となることだろう。
では、さっそく紹介していく!
書籍「自分を鍛える」の見どころ①:起きる時間の遅い人間でひとかどの人物になった者など一人もいない
僕はこの本を読むまで、深夜まで仕事に打ち込んで、午前1:00ごろに就寝し、朝は9時すぎに目を覚ますような生活をしていた。
恥ずかしながら、当たり前にこの習慣を繰り返してきた。
今思い返せば学生時代から寝坊も多かったし、とにかく朝に弱い人間だった。自然と、自分は夜型人間だと自認する形になり、朝寝をすることに抵抗感など全くなくなっていた。
が、しかし。
この本を読んで、(2つの意味で)目が覚めた。
著者は、引用を交えつつ以下のように主張する。この本の中で、一番刺さった内容かもしれない。
早起きを習慣としなかった人で長生きした人は少なく、まして有名になった人となるとさらに少ない。起きるのが遅くなると、当然仕事にとりかかるのも遅くなり、結局、その日全体が狂ってしまう。ベンジャミン・フランクリン(1706―90。アメリカ合衆国の政治家、著述家、物理学者。〝アメリカ建国の父〟とされる)は言っている。「寝坊しがちな人間は、一日中あたふたし、夜になってもまだ仕事が山積みになっている」。『ガリヴァー旅行記』の著者スウィフトは、「朝寝をする人間でひとかどの人物になった者など一人もいない」と断言している。現代はいろいろな点で堕落しているが、寝坊がその最たるものであることは、他の堕落とともに、歴史が証明してくれるものと思う
ジョン・トッド. 自分を鍛える!「知的トレーニング」生活の方法 (Japanese Edition) (p.38). Kindle 版.
若い時から早起きの習慣をつけている人は長生きするという傾向があり、そういう人は卓越した有能な人物になる場合が多い。そして何よりも、おだやかな楽しい人生を送れるものだ。私がこの点を強調するのは、寝床を恋しがるというのは特に若い人がおちいりやすい過ちであり、いったんこの癖がつくと容易なことでは抜け出せなくなってしまうからである
ジョン・トッド. 自分を鍛える!「知的トレーニング」生活の方法 (Japanese Edition) (p.41). Kindle 版.
ここまで断言されると、「自分は夜型人間なので…」と言い訳する気も失せてくる。
しのごの言わずに、起きて、やれ。Do it!
かつての偉人に、叱られたような気分になった。
大人になると、あまり叱ってくれる人はいない。会社の上司がストレス発散のためではなく自分のためを思って叱ってくれるのであれば、ある意味そのひとは大変恵まれているだろう。自分を客観的にみて、矯正してくれる人がいるからだ。
だが大抵の人はそうではない。大人になれば、相手に指摘をして反感を買うことの恐ろしさやデメリットをおおいに理解できるので、自然と人は対立を避けるようになる。
自分の悪い部分をしっかり指摘してくれる人なんてまずいない。
その前提に立てば、自分から能動的に説教を受けにいく必要がある。
でもだれかに「僕を叱ってください!」なんて言ったら気持ち悪すぎて社会的信用が地の果てまで落ちるので、本を読んで積極的に偉人の教えを学んでいくことが大変に重要である。
話がそれたが、その観点に立てば、おそらく「朝ちゃんと早起きをすること」というのは、守らなければならない人生訓なのだろう。
周りの人間はだれも教えてくれないが、ジョントッドが教えてくれている。
この日を境に僕は毎日朝の7時に起きるようになった。
本一冊で、生活がここまでドラスティックに変化するなんて、久々の体験だ。
この一節だけでも、この本は自分の人生をよくしてくれたと言える。
実際に「早起きなんてできないよ〜寝たいよ〜」という方に向けてジョントッドは「早く起きるためには早く寝るしかない」といっている。
「早く起きるためには早く寝るしかない」素晴らしくシンプルな論理である。僕はこういった明快な論理展開が大好きだ。
まずは今日、早く寝るところから始めよう。いつもより1〜2時間早くベッドに入ろう。
そしてそれを継続しなければ意味がない。毎日、実践していきましょう。
書籍「自分を鍛える」の見どころ②:計画を立てて過ごした一日は、無計画に過ごした一週間分に相当する
みなさまも経験があるのではないだろうか。
しっかり事前に予定を入れた一日や、前もってスケジュールを立てた一日は、すごく充実感があるという経験を。
事前に一日の予定を決めておくことが、その日の充実度を決定的に高めるということを、おそらく言われなくてもわかっていると思う。
そんな「言われなくてもなんとなくわかっているような、大事なこと」を、はっきりと明快に断言してくれる点が、この本の大きな魅力だ。
実際に一日が始まる前の夜、もしくは早朝に、一日の計画をきっちりと立てて、計画通りに無駄なく行動している人がどれだけいるだろうか。
僕自身、非常に成長意欲の強い人間だと自認しているし、周囲にもそう言った人間が多いが、毎日、長期的目標などを踏まえつつ細かく計画を立てて実行している人など聞いたことがない。
この本の中で、一日の計画を立てる重要性が以下のように語られている。
根気強く、1分1秒を充実させる、それも計画にそって充実させていくことが必要である。前もって立てた計画通りに過ごした充実した一日は、無計画に過ごした1週間分にも相当するのだ。
ジョン・トッド. 自分を鍛える!「知的トレーニング」生活の方法 (Japanese Edition) (p.35). Kindle 版.
寝るまでに何をどれだけやり遂げたいのか──これを、一日のはじめに確認したら、計画と実行の間に少しも無駄な時間が生じないように即座に実行に移すことである。一日が終わったら、公正かつ徹底的にその日を反省し、できなかったことを確認しておきなさい。
ジョン・トッド. 自分を鍛える!「知的トレーニング」生活の方法 (Japanese Edition) (p.94). Kindle 版.
朝の早起き習慣と同様、この「一日の計画を立てる」という習慣もこの本を読んだことで身についた。
これは本当に素晴らしい習慣だ。一日が、一週間分の充実度になるというのは、もはや人生のチート技ではないか?
最近ブログをサボっていたが、今日ブログを書いているのも、「夜にブログを書く」という計画を早朝に立てたからだ。
これを繰り返したらいい意味で別人のようになっていることだろう。これを実践していて、人生うまくいかないほうが難しいのではないだろうか。
書籍「自分を鍛える」の見どころ③:自分を高めてくれない人間関係なんて手放した方が良い
私事だが、筆者は東京から福岡に移住した人間だ。
縁もゆかりもない福岡という土地で、あまり友達も多くなく、たまに孤独感に襲われる時がある。
そんなときに、寂しさに負けて、「意識も低く、飲み歩いているばかりの、あまり気が合わない友達」を誘って、飲みに行ってしまうことがある。
僕自身なんとなく、「限られた人生の中でそんなことをしている暇はないのではないだろうか」とか「相手が僕のことを友人として気に入ってくれているからといって、こちらも誠心誠意こたえて付き合う必要があるのだろうか」とか疑問を抱くことが多々あったが、なんとなく自分の中で明確な信条にできないまま、もやもやした付き合い方を続けていた。
しかし、この本は以下のように断言してくれる。
自分の生活様式を堕落させるような友だちとはつきあわないようにするのと同じく、自分の文体を損なうような本は、読まないようにすることである。
ジョン・トッド. 自分を鍛える!「知的トレーニング」生活の方法 (Japanese Edition) (p.89). Kindle 版.
友人を選ぶ際に覚えておくべきことは、お互いがお互いの習慣、性質、考え方、ものの言い方などを吸収し合うことになるのだから、単に美点をそなえているだけでなく、できるだけ欠点の少ない友人を慎重に選ぶよう心掛けることだ。
ジョン・トッド. 自分を鍛える!「知的トレーニング」生活の方法 (Japanese Edition) (p.53). Kindle 版.
本と同じく、利益を得られる仲間を選ぶこと。自分を向上させ、楽しませてくれるものは、最良の本と最良の仲間である。
ジョン・トッド. 自分を鍛える!「知的トレーニング」生活の方法 (Japanese Edition) (p.125). Kindle 版.
友人を持つうえで何にもまして大切なのは、確固たる信頼感である。ほんのわずかでも誠意を疑いたくなるような人物とはつきあいたくない。
ジョン・トッド. 自分を鍛える!「知的トレーニング」生活の方法 (Japanese Edition) (p.57). Kindle 版.
僕自身よりも圧倒的に成功していて人生経験豊富なジョントッド氏が、このように「付き合う相手は厳選しろ」と伝えてくれているわけだ。
自分のモヤモヤした思考が、非常にスッキリする。
これからは自分の時間を最優先して、「怠惰な友人たち」との関わりは少し減らしていこうと思う。
この選択が良いか悪いか、正直言って今はわからない。死ぬ間際にわかったりするのだろうか。
でも、過去の偉人の意見を知った上で判断するのと、知らずになんとなく過ごすのでは大違いだとおもう。
みなさんもこの意見を知った上で、人付き合いというものを見直していってもよいかもしれない。
書籍「自分を鍛える」の見どころ④:本はたくさん読むのではなく、一冊をじっくり読め
現実世界でもインターネットの世界でも、本をたくさん読んでいる人間に出会うことがある。
そういう場面に出くわすと、いやおうなしにそのひとの凄さを感じてしまう。
たくさん本を読んでいても、身についているとは限らないのに、なぜかすごく知識のある人のように見えてしまう。
でも実際は本をたくさん読んでいるだけですごい人であるなんてことは、全くない。
言われてみれば当たり前の気もするけど、改めてそうやって断言してもらえると自分の中でその意見を明確に認識できてありがたい。
一冊を丁寧に読み、深く理解することが重要であると、ジョントッド氏は断言する。
友人を選ぶ際に覚えておくべきことは、お互いがお互いの習慣、性質、考え方、ものの言い方などを吸収し合うことになるのだから、単に美点をそなえているだけでなく、できるだけ欠点の少ない友人を慎重に選ぶよう心掛けることだ。
ジョン・トッド. 自分を鍛える!「知的トレーニング」生活の方法 (Japanese Edition) (p.53). Kindle 版.
友人を選ぶ際に覚えておくべきことは、お互いがお互いの習慣、性質、考え方、ものの言い方などを吸収し合うことになるのだから、単に美点をそなえているだけでなく、できるだけ欠点の少ない友人を慎重に選ぶよう心掛けることだ。
ジョン・トッド. 自分を鍛える!「知的トレーニング」生活の方法 (Japanese Edition) (p.53). Kindle 版.
読んだ本の内容については、振り返って考えることにかなりの時間を費やすべきである。最もすぐれた学者たちは、読書に費やされる時間の4分の1をそれに充てるべきだと考えている。これはけっして、多すぎるとは思われない。
ジョン・トッド. 自分を鍛える!「知的トレーニング」生活の方法 (Japanese Edition) (p.85). Kindle 版.
読書であれ、会話であれ、作文であれ、量は少なくても入念に行なったほうがよい。「性急すぎる」人間は、得てして人生の取るに足らないことに忙しくかけずり回りながら、それでいて、できるだけ多くのことを成し遂げるという人生の大目標を果たさずに終わるものである。
ジョン・トッド. 自分を鍛える!「知的トレーニング」生活の方法 (Japanese Edition) (p.47). Kindle 版.
受験勉強でもそうだった。山ほど問題集を解いているガリ勉君は、案外大した成績を残していなかった。
案外、良質な問題集を、少ない数でもしっかりと取り組んで身につけた方が、成績が伸びるものだ。
自信を持って、多読をやめよう。
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